社長あいさつ

私たちが "出版のパートナー" である理由

出版物は、書店で消費者に購入されてはじめて売上が成立する商品です。
売れなければ取次会社を通じて出版社に返品される委託形式販売であり、返品にかかる費用は出版社の負担となります。
また、返品の決定は書店の判断に委ねられるため、その時期は出版社には容易に予測できません。返品された本はブックカバーや帯などの装丁が改装され、新品とほぼ同様の状態となり、再び出荷を待ちます。

こうした特殊な流通に対応できる、保管・管理・輸送・販売の各部門のすべてを併せ持っているのは、大手といわれる出版社のなかでもごく一部の企業です。
当社は創業当時からお客様とともに成長する"出版のパートナー”を標榜し、出版社が自社でカバーしにくいこれらの業務を代行するとともに、出版物流の専門企業としての立場から戦略的提案を行うなど、それぞれの出版社にとって最適なサービスを提供してまいりました。

コンピューターシステムと物流の自動化で出版事業に貢献

いま、出版社が発行するアイテムは膨大な数におよびます。当社は、百数十社の出版社から発行される4万点・6千5百万冊の出版物をお預かりしています。

在庫は出版社にとって生命線です。どの本が何冊出荷され、いつ、どこで何冊売れ、何冊返品されてきたのか。その結果、いま何冊の在庫があるのか、といった情報を素早く正確に把握し、返品に対する迅速な対応、需要の高い書店への的確な再配分、初期出荷の配分に活かしていくことが出版事業を展開するうえでは重要なポイントとなります。

これらに応えるため、当社ではコンピューターシステムの導入をはやくから進めてきました。

お客様から預かった商品の流通や在庫の状況、改装作業の管理などをリアルタイムに把握する社内システムを構築する一方で、出版社・取次会社・書店とオンラインネットワークを結び、取次会社や書店における売上情報・返品・在庫情報をリアルタイムに提供するシステムを確立しています。こうした情報は、単に実績データとして報告されるだけでなく、独自のプログラムにより、「この本なら今後何か月に何冊ぐらい売れそうか?」といったマーケティング情報に加工され、改装数や再版の決定、営業計画や出版企画に立案に活用していただいております。

また、物流における自動化についても、積極的に取り組んでいます。なかでも返品されてきた書籍を自動的に仕分け、改装する全自動ラインは、業界でも当社だけが持つ先進のシステムとして、多品種・小ロットに拍車がかかる返品作業の合理化とコストダウンのニーズに応えています。

出版社のための、ワンストップ・ソリューションカンパニーをめざして

こうした先進のシステムを駆使した当社のアウトソーシングサービスは、出版社に対して、業務効率の向上、意思決定のスピードアップ、販売の効率化といった大きな効果をもたらすものと確信しております。
今後は商品管理代行業務にとどまらず、用紙の協同購入・供給、印刷・製本、出版物の販売促進、廃棄本の処理など、“出版のパートナー”として当社が支援できるあらゆるサービスをひとつの窓口で取り扱うワンストップ・ソリューションをめざしてまいります。
また長年に渡り培ってきたノウハウを活かし、出版物流に必要な資材や機器を販売するといった多角化も視野にいれています。

当社は、出版業界はこれまで常識としていたシステムのその先を行くシステムを積極的に提案し、業界全体のシステム化に貢献していきたいと考えています。今後も、出版業界の発展に積極的に寄与できることを第一の目標とし、ともに歩み続けるパートナーとして、より一層の努力を傾けてまいります。

代表取締役社長 西浦 善彦

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